●福田三津夫様
今月23日の愛生園の慰霊の花火大会がアップされました。
www.youtube.com矢部 顕
◆横暴国会への怒り 鎌田慧(ルポライター)
「めちゃくちゃでござりまするがな」。高校生の頃だったか、横山
エンタツ花菱アチャコの漫才コンビ、そのアチャコの決まり文句が
思い出される。「むちゃくちゃでござりまするがな」とも言える。
「自由と民主」を党名に掲げる自民党には、良識的な議員もいるだろ
うに、いまや右派の日本維新の会と違憲、無軌道政治にまっしぐら。
「これからは触らぬ国旗に祟りなし」(桐谷篤輝)。本紙「時事川柳」
の一句だが、ついに表現の自由を制限し、暗黒国家の入り口とも言
える「国旗損壊処罰法」が成立した。女性首相が「皇室典範改正」で
女性差別政策の先頭に立つ。
再審制度改正では、冤罪者の苦悩と悲願を受け止める、検事抗告の
全面禁止、証拠の全面開示に向かわず、むしろ開示を制限、「目的外
使用」と解釈すれば罰金刑とする検事防衛強化策。高市首相は来年春
の党大会を「改憲発議にめどが立ったと言える状態で迎えたい」と
露骨な挑戦姿勢。
「憲法改悪」の論議を準備する「改正国民投票法」、議員の定数削
減、労働者酷使の「働き方改革」
など、自民党の衆院大勝、野党弱体のいまこそ、と改憲にむけての、
公然たる攻撃が始まった。
しかし、「高市内閣支持10ポイント減41%」(毎日新聞7月20日)。
不支持が逆転して44%になった。「驕れる者は久しからず」。
それが歴史の必然だ。
(7月21日「東京新聞」朝刊19面「本音のコラム」)
◆辺野古問題の責任者=日本政府
大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)
辺野古新基地建設を巡る住民運動は長く、厳しい歴史を経て、今に
至る。l995年の少女暴行事件を受け、翌年、「代替施設」の完成を条件と
する「普天間基地返還」の名の下、新たな海上基地案が浮上。
武力を持たない丸腰の住民たちは、身体を張って抵抗を始めた。
「沖縄を再び戦場にさせない」。沖縄戦を原点とする反戦平和の思いが
運動を支えてきた。
そんな抵抗が続くなか、今年3月、辺野古沖で痛ましい海難事故が
起きた。米国で大学生を連れて現場研修をしてきた教員の一人として、
事故は人ごとではない。原因究明と再発防止の徹底は言うまでもない。
しかし、この不幸な事故につけ込み、沖縄の平和運動を「なきもの」に
しようとする動きには、争わねばならない。
安全管理責任と平和学習・反基地運動の是非は、別問題だ。
ネットやSNSでは、誤った認識に基づく学校や平和学習、沖縄の反基
地・平和運動への誹識中傷が相次いでいる。
しかし、そもそも、辺野古間題を生み、30年にわたって固定化してき
た最大の責任を負うのは、誰か。日本政府だ。
政府が沖縄の声を聞き入れ、早々に建設を中止していれば、少なくと
も、あの日、生徒たちが建設現場を海から見る研修に参加することは
なかっただろう。
それなのに、どうして、政府の責任は間われないのか。
(7月20日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」)
◆アイヌは負けない
大矢英代(カリフォルニア州立大助教授)
今年3月、アイヌ民族の歴史を歪めるパネル展が札幌駅前の地下広場
で開かれた。「アイヌは先住民?」「至れり尽くせりの旧土人保護法」。
SNSのヘイト投稿と見まがう言葉が、公共空間に並んだ。
批判を受け、札幌市は施設使用のあり方を検討する第三者機関を設けた
が、会合は原則非公開。委員にアイヌ民族はいない。
歴史修正主義が広がる中、当事者はどう感じたのか。北海道白老町に暮
らす詩人で古布絵作家の宇梶静江さんを訪ねた。
「くだらないよ」と静江さんは一蹴した。
「相手にする価値もない。笑っていなさい、って言うだけ」。
見事な一刀両断だった。長く苦しい差別を生き抜き、古布絵でアイヌ
文化を伝えてきた人の言葉には、揺るがぬ強さがあった。
その力は、木彫や工芸を通じて文化を未来へつなぐ若者たちにも受け継
がれていると静江さんは言う。
「今、アイヌの若者たちは燃えているよ。ヘイトを突き抜ける情熱を
持っている。アイヌは負けない」
文化とは、憎悪を打破する強さであり、魂なのだろう。
暗澹(あんたん)としていた私の方が励まされた。
「そんなことより」と静江さんは言う。
「国籍や年齢を超えてアイヌ文化を学べる学校を作りたい」。
静江さんはすでに未来を見ていた。
差別者が追いつけないほどの速さと信念で。
(7月27日「東京新聞」朝刊17面「本音のコラム」より)